依頼先の選び方 デザインを依頼する前に〔4〕 

前回までで、依頼するのに必要な「企画・コンセプト」の準備が整いました。

どのデザイン事務所と仕事をする?

大企業であれば、多くの開発事例があり、経験もノウハウも蓄積されています。
ところが中小企業で、頻繁に商品開発を依頼することはありません。
そのため、
いざ依頼しようにも、どのようにデザイン事務所を選べばいいのか
どんな風に依頼すればよいのか、に困る。とのご意見をよく伺います

特に、はじめてだと、不安も大きいです。
そこで、選ぶポイントとして
デザイン能力と専門性、得意分野をみきわめてください。

デザイン事務所を選ぶポイント

デザインを依頼するときに
「知恵」「知識」と「技術」を備えていることが基本です。
「知恵」とは、先見性や企画構築能力、
「知識」は、製造や加工の知識、素材、構造など、
「技術」とは、造形能力、設計能力などです。

はじめて商品開発をする場合には、
商品開発をすべてコーディネイトしてくれる、
特に、「設計対応能力」、
製造や加工の知識に基づく『製品設計』が きちんとできるかどうかが重要です。

デザインのみを依頼し、設計を自社で行う場合でも、
「設計」「製造」を知らずに「デザイン」されたものは、
製造するにはコストがかかりすぎたりすることがあります。
「商品」になることを前提にデザインされていることが大切だからです。

「デザイナーに頼んでみたがどうやっても製品化することができなかった」
というような話があるのは、
この「製品設計」能力が十分でないデザイナーに依頼してしまった結果です。

商品開発は商品の「絵」が必要なのではなく、
商品化できること必要なのです。
製造や加工の知識がなく、
またそれを反映させる設計能力がなければ、「商品」にはなりません。
「スケッチ」や「CG画像」だけでは、「商品」になりません。
絵を渡されて、あとは製造の方にお願いすればいいですよ。といわれたとしても
実際に、設計をすすめようとすると、
設計者から 「この形状ではできない、製品化できない」と言われることにつながります。
これは、3次元CADデータであっても同じです。
金属を曲げて作るのか、樹脂を金型で成形するのかでは、設計要件が大きく違います。
この設計要件を満たしていないCADデータは、
製品化するために再設計をしなければならず、
逆にコストがかかる結果になります。

コミュニケーション力・コーディネイト力を確かめる。

デザイン能力と専門性、得意分野を見極め、
次に、中小企業との商品開発を多く手がけているデザイン事務所を探すべきでしょう。

いうまでもなく、
大企業と中小企業では、組織、強み、経営はまったくちがうところばかりです。
中小企業の持つ企業資源を最大限に活用する方法を理解し、
さまざまな経験をつんでいることが重要です。
問い合わせる中で、見極めるべきポイントの1つです。
また、
自社のみで開発することが難しい商品の場合、
デザイナーの持つネットワークを活用してさまざまな企業とのマッチングも可能となります。

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