オリジナル製品の製造ロット

「今までBtoBだけだったのですが、BtoCへ販売するためにオリジナル製品をつくりたいんです! 自社ではじめてつくるんですけど大丈夫ですか?」とご相談をうけました。

ご相談をうけたときに、まずお話させていただくのが、自社がメーカーになると「見えないお金が発生しますよ」ということをお話させていただきます。
BtoBだけだとわからなかった、メーカーになるといろんなお金が発生するのですが、意外に忘れがちなその一つが「在庫」、そしてそれをどこにいつまで「保管できるか問題」です。

「在庫」は、帳簿上「資産」になる

経営の勉強をしていらっしゃる方だったら当然の知識だよ!といわれるのですが、「在庫」って帳簿上は「資産」なんです。

どうしても、商品をつくるとき、コストの問題をはらみます。コストはロットが大きくなると1個あたりの単価が安くなる。
じゃあ!と、想定単価にあわせたロットを発注するとすると…「在庫」として商品が滞留することになります。
そして、決算時期がくると、その「在庫」は、会社の帳簿上の「資産」として、決算書にのることになります。まだ一円も利益を生んではいないのに…です。
なので、在庫を大量に抱えていると、黒字ではあるけれど使えるキャッシュが少ない状況に陥り、黒字倒産の危機におちいります。(潤沢な現金資金があれば別ですが…)

だったらと、少ないロットですすめようとすると…結局、製造していただける工場をみつけられなかったり、見つけたとしてもとても想定の単価内におさめられなかったり…別の問題がおきてきます。


保管スペースの問題

ロットを考えるときに必ず確認をお願いするのが、「保管スペース」の確認です。
工場などに「一部屋ぐらいの余分なスペースがある」や、「いま、倉庫あいてます」なら別ですが、資材から製品となって、パッケージされて「商品」となると、想像以上にスペースが必要です。

保管スペースがなく、保有スペース以外で倉庫を借りた場合、とてつもない費用がかかってきます。まだ一円も利益を生んでいないにもかかわらずです。

保管スペースがないなら、モノをつくるときに、保管スペースをすくなく保管する方法を考えなければなりません。

そして、どのぐらいの期間なら、この商品のためのスペースを確保しておけるか。も確認が必要です。
次の商品をつくりたいけど、倉庫にスペースがあいてないので、売れていない商品を処分してからでないと新製品がつくれないんです…というつぶやきもよく聞くのです。

ジレンマに陥ります

どうしても「コスト」と「ロット」は、ついてまわります。

少ないロットだとコストがあがり価格があがる。
大きなロットだとコストはさがるが在庫が増える。

どのぐらいの人に支持されて購入いただけるのか、
いいね!と支持していただけるお客様がどの程度いるのか…
この商品魅力は十分に伝わるか、
提供する価値は価格にみあうものなのか…
お客様にとどけるための販売店さんや媒体さんに共感いただけるか…

ジレンマに陥りますが、ひとつひとつ解決方法と対処法を考えながら、決めることはバシッっときめて前に進んでいきます。
少ないロットなら少ないロットで、今はいろいろな方法で商品をつくることができる時代になっています。なので、「想い」を大切に、「どうしよっかなー」と一緒に考えましょう♪とお伝えしています。

ものづくりはとても楽しいです。

私自身も自分の商品でいつもジレンマに陥っています。
もっとロットを増やしたいけど…1年の販売数量からするとこれだと余剰在庫になってしまう。とか帳簿を会社の保管スペースをにらめっこをしながら、うんうん。うなっています。
けっこう最後は「えいやー!」となってしまっているかもしれません(笑)

でも、メーカーとして、ものづくりすることは、とても楽しいです。
使った人からいいコメントなんかいただけたものなら、
いえーい!と、人知れず小躍りしたくなるぐらい嬉しいものです。

楽しくものづくりするためにも、モノづくりのプロセスも楽しむためにも、ものづくり未経験者さんは、同じ想いをもって伴走してくれるいいパートナーが必要です。
ちょっと気になるな、というときは、ぜひお問合せください


アイ・シー・アイデザイン研究所
インダストリアルデザイン(工業デザイン)を中心に商品開発を支援する大阪のデザイン会社です。
コンセプト立案からアイデア展開、3DCADによる設計、試作、製造、事業化など幅広い業務を行っています。
デザインプロセスから3DCADによる見えるかをすすめることで、開発日程短縮、開発費用削減、品質向上などのご提案も可能です。

詳しくは、アイ・シー・アイデザイン研究所WEBサイトへ
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