【事例】HI・RA・ZU・TU・MI システムバッグ

長い長い10連休をいただき今日から令和での仕事始め。
平成への改元時とことなるお祝いムードで
なんとなく うきうきと 新しい時代の幕開けを楽しんでいます。

かつての昭和から平成へ変わった年
このシステムバッグ「HI・RA・ZU・TU・MI」が誕生。
1989年熊本デザインアワード優秀賞
1989年デザインフォーラム銀賞 などを受賞した商品です。
この商品は、代表の飯田が独立してすぐのころに自社商品としてうみだされました。
HI・RA ・ZU ・TU ・MI は、
正倉院御物の収納用に、『平包み』という名称の布が使われていたところに由来します。
小さなものには 小さな布で、
大きなものには それなりの大きさでと
収納する品物を想定して専用の『包むもの』としての平包みがつくられました。
その平包みの「1枚の布」の意を込め、開くと1枚の布状になるバッグです。

もうひとつの狙いとして
会社設立に優秀な意欲ある社員募集をするため、という意味もありました。
今のようにインターネットなどもなく
平成元年当時、求人募集をしようとすると
新聞などのメディアに求人広告を載せて社員をつのるというのが一般的でした。
しかし、名が知られていないデザイン事務所の求人広告には誰も応募をしてくれません。
そこで、デザイナーとして
世の中にないデザインコンセプト」を活かした「モノを創り
賞を獲る」ことで会社のPRをしようと考えました。
当時の求人広告の掲載費用40万円を予算に自社商品を製造しました。

目的通り、熊本デザインアワード受賞、デザインフォーラム銀賞、パッケージデザインなどを受賞。
嬉しいことに全国展開する通販会社に採用され、数万個販売していただいた。
また、日経デザインや鞄協同組合新聞・雑誌に掲載され、
会社の規模ではなく新しいことにチャレンジしたいという意欲ある人から問い合わせをいただくことになり、アイ・シー・アイデザイン研究所をスタートすることができのです。

コンセプトは、機能だけでは満足できず、形だけでは不満が残ります。
物の本質に『意』のエッセンスをふりかけた時、そこのクリエータのオリジナリティが生まれます。
伝統を省察し、今との “意” の接点により誕生した 『たった一枚の布』は
新しい価値あるモノとして機能しだしました。

 

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